根面う蝕をご存知ですか?
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虫歯になりやすい場所とは?

1. 噛み合わせの面

2. 歯と歯ぐきの境目

3. 歯と歯が接している面

 

一般的に、上の3ヶ所に注意してブラッシングをすれば、虫歯のリスクが減らせるといっても過言ではありません。

ですが、最近歯科医師会の活動で介護施設の検診に行くと、高齢者を取りまく環境下で 歯と歯ぐきの境目 から根の部分にできる”根面う蝕”(こんめんうしょく)と呼ばれる虫歯の方が多いと感じます。

今では、根面う蝕は高齢者を代表する虫歯と言えます。

在宅歯科医療において根面う蝕への対応は、非常に重要な意味をもっています。そして、介護を必要としていない高齢者の患者さんをみても、約半数以上はこの”根面う蝕”が原因による虫歯で通院されています。

根面う蝕(こんめんうしょく)とは、どういうものなのか…

根面う蝕とは、年を重ねるにつれ、歯周病が進行し歯肉の退縮が起こり、歯の根の部分が露出した根面にできる虫歯です。

歯の根の部分は、エナメル質がないので虫歯になりやすくなるのです。

原因として、歯磨きが難しい位置であることや、高齢者の方は加齢や薬の副作用の影響により唾液の量が少なくなることで、プラークの形成を抑える効果が弱まります。唾液の分泌は噛むことで促されるので、歯を失った場合はインプラント治療や入れ歯を作ってもらい、しっかり噛めるようにする事が最も大切です。

根面う蝕を予防するには…

ずばり、予防と治療が重要です。まずは、プラークコントロールです。しっかり歯磨きをし、虫歯が出来にくい口腔環境が好ましいのです。そして、お子さんが使うフッ素入り歯磨き粉を使ったり、洗口液など使用します。場合によって歯と歯の間に物がつまる時などは、つまらないような治療をしてもらうなど、検診などを歯科医院で受けることが大切です。

根面う蝕への在宅歯科医療に対する考え方

在宅歯科医療において、根面う蝕に対し予防の難しさがあります。予防が出来ていないと歯の根元から破折し、その後は咬合喪失まで連鎖的に進んでしまうのです。

要介護高齢者における咬合崩壊は「咬めない」という問題ではなく、口から飲み物・食べ物の摂取に障害が出たり、窒息事故にまで発展してしまうのです。高齢化社会が進むにつれ、高齢者残存歯数の増加に伴い、根面う蝕への対応が今後の歯科医療の課題となっています。

 

 

投稿日:2016年1月23日  カテゴリー:未分類